女性の厚生年金、ひと月15万円未満の割合

それでは、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」を元に、男女別にひと月の受給額の分布図をながめましょう。

厚生年金保険(第1号)【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:15万977人・5万円~10万円未満:97万6724人
10万円~15万円未満:261万3866人・15万円~20万円未満:436万9884人
20万円~25万円未満:224万9128人・25万円~30万円未満:28万8776人
30万円以上:1万7626人
厚生年金保険(第1号)【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
~5万円未満:31万5100人・5万円~10万円未満:234万1321人
10万円~15万円未満:218万2510人・15万円~20万円未満:41万2963人
20万円~25万円未満:6万3539人・25万円~30万円未満:4166人
30万円以上:379人

※厚生年金には、国民年金部分も含まれます。

男性の厚生年金額で、最も多いのは「15万円~20万円未満」。平均額約16万円の通りですね。次に「10万円~15万円未満」「20万円~25万円未満」の方も多い傾向にあります。

一方で、女性で最も多いのは「5万円~10万円未満」。ひと月「10万円未満」でみると、女性の全体のおよそ50%です。年金がひと月10万円未満というと少ない印象ですが、女性では決して珍しくないのですね。

さらに「10万円~15万円未満」の方も218万2510人と、全体の約41%。つまり、女性は年金ひと月15万円未満が約9割を占めます。

そもそも男女の受給権者数を比べてみると、男性が1066万6981人に対し、女性は531万9978人。厚生年金を受給できる女性自体、男性に比べると約半数です。

これらの要因は専業主婦が多かったり、結婚や育児、介護などで離職をする女性が多かったりするからでしょう。