医療技術の発展などにより、人生100年時代と言われる今日。
財務省によると、2022年度以降、団塊の世代が65歳となり、基礎年金の受給がはじまることなどから、社会保障の給付金は増大することが見込まれています。
さらに2025年には、65歳以上の人は約3600万人となる見込みです。
逆に、20~64歳人口は急速に減少し、2040年以降も減少が続くことが見込まれています。高齢者が増え続ける一方で、それを支える現役世代は減っていくのです。
こうした状況を踏まえ社会保障、とりわけ費用の大きい医療分野をどう見直していくかが喫緊の課題となっているのです。
そこで今回は医療費の現状について、解説していきます。
医療費40兆円超も前年比マイナスに
まず、厚生労働省が2021年8月31日に公表した「令和2年(2020年)度 医療費の動向」から、医療費全体のデータを眺めていきます。
2020年度の医療費
- 75歳未満:23.5兆円
【内訳】
・被用者保険:13.0兆円
・国民健康保険:10.5兆円
- 75歳以上:16.6兆円
- 公費:2.1兆円
総額:42.2兆円
医療費は全体で42.2兆円となりました。前年度より▲3.2%(▲1.4兆円)のとなっています。これはコロナ禍の影響で受診を控える人が多かったことが影響していそうです。
では、1人当たり医療費の伸びについてもチェックしていきましょう。