あなたは、「日本は少子高齢化が進んでいる」と聞いたことがあるでしょうか。

財務省によると、2014年において、日本の総人口は1億2708万人。そのうち65歳以上の方は3300万人です。

65歳以上の方ひとりを20~64歳の方2.2人が支えていることになります。

ところが2022年度以降、団塊の世代が65歳となり、基礎年金の受給がはじまることなどから、社会保障の給付金は増大することが見込まれています。

こうした状況を踏まえ社会保障、とりわけ費用の大きい医療と介護分野をどう見直していくかが喫緊の課題です。

そこで今回は、介護費用の現状について解説をしていきます。

介護の給付額は10兆円に迫る

まずは、介護費用の総額から、自己負担分を除いた給付費の推移を見ていきます。

介護給付費(利用者負担を除いた額)

  • 2010年度:7兆2536億円
  • 2011年度:7兆6298億円
  • 2012年度:8兆1283億円
  • 2013年度:8兆5121億円
  • 2014年度:8兆9005億円
  • 2015年度:9兆976億円
  • 2016年度:9兆2290億円
  • 2017年度:9兆4443億円
  • 2018年度:9兆6266億円
  • 2019年度:9兆9622億円

おおよそ、毎年度1000~5000億円程度増加していることがわかります。2010年度には約7兆円だった介護給付費が、2019年度には10兆円目前に迫る結果となりました。

また、介護保険の被保険者は、65歳以上の方(第1号被保険者)と、40歳から64歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられます。

それでは、第1号被保険者の1人あたり給付費(介護給付・予防給付)の推移を見ていきましょう。