普通預金のメリットには、お金を安全に保管できるという点があるでしょう。また、クレジットカードの決済口座として利用できるという点もありますし、いつでもATMでお金を下ろせるという便利さもあると思います。

ただ、それ以外のメリットは特にありませんし、超低金利時代の今は銀行預金でお金を増やすことは一切できませんから、生活費以外のお金はたとえ定期預金であっても銀行の口座に預けるのは賢明ではないと思います。

貯金は円に一極集中の”ハイリスク投資”

次に、貯金は円に一極集中のハイリスク投資であるという点について解説していきたいと思います。

貯金をするとお金が減ってしまうもう1つの理由は、インフレになるとお金の価値が減ってしまうことにあります。銀行に財産を日本円で貯金しているということは、日本という国を一点買いしているのと同じことなのです。

たとえば、為替で日本円が暴落すればダイレクトに損害を被ってしまいます。直接的にはあまり実感できないかもしれませんが、もしドル円で円安になったとすると、輸入する原材料の価格が上がり、ジワジワと物価が上昇してしまいます。

身近な例として、輸入小麦の値段が上がったケースを考えてみましょう。輸入小麦の値段が上がってパンの値段が100円から110円になったとしたら、100万円の貯金が90万円の価値になったのと同じことになるのです。

もちろん、物価が上がった分、収入も上がれば良いですが、日本人の給料は下がり続けているのが現実です。OECDのデータを基に全労連が作成した国際比較によると、1997年=100とした場合の2016年の実質賃金指数は、オーストラリア131.8、ドイツ116.3、アメリカ115.3など。対して日本は89.7です。

こんな状況ですから、もしもインフレになって物価が上がった場合、貯金だけしていると貧乏まっしぐらというわけです。