「人生100年時代」が近づくこんにち。長い老後をどのように過ごすかは、人それぞれ色々な想いがあります。

夫婦で仲良く旅行や趣味を楽しむ方もいれば、セカンドキャリアで新たな仕事に就く方、さらには大学に社会人入学される方まで、まさに十人十色でしょう。

筆者が以前、証券会社に勤務していたときのお客様も、まさにみなさんそれぞれの老後のプランをお持ちでした。当時、60代のみなさんから資産に関するご相談を多く受けてきましたが、みなさん、ある「共通した悩み」をお持ちでした。

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それは……

「はたして私たちは老後にいくら必要なのか」ということです。

「老後2000万円問題」に関する報道が大々的に取りざたされていた頃でしたので、ご心配も無理はなかったと思います。そんな筆者の経験も踏まえ、今回は、65歳以上のリタイヤ世帯にフォーカスを当てていきます。

シニア世代の貯蓄平均は、この「2000万円」のラインを超えているでしょうか。

65歳以上リタイヤ世帯の貯蓄平均額

さっそく、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編) ―2020年(令和2年)平均結果― (二人以上の世帯)」をもとに、65歳以上・無職世帯の貯蓄事情を眺めていきます。

世帯主が65歳以上無職世帯(2020年)

貯蓄現在高:2292万円(前年比3.3%増)

<内訳>

  • 通貨性預貯金:618万円(27.0%)
  • 定期性預貯金:920万円(40.1%)
  • 生命保険など:397万円(17.3%)
  • 有価証券:348万円(15.2%)
  • 金融機関外:9万円(0.4%)

貯蓄現在高は2292万円ですので、65歳以上無職世帯は平均的に2000万円以上あることがわかりました。
平均的な世帯であれば老後生活を無難に生活できそうです。

しかし、いったいどのくらいの世帯が、2000万円を貯蓄できているのでしょうか?