ひと昔前は「還暦=お年寄り、高齢者の仲間入り」といったイメージが強かったと思いますが、今は少し異なりますね。
60代もバリバリお仕事を続ける方もいらっしゃいます。
ただ、現役時代よりは給料を多くもらうことは難しいのではないでしょうか。
多くの人にとって60歳という年齢は「お金」面で大きな節目になるといえます。
そこで今回は、証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者としてファイナンシャルアドバイスを行っている筆者の視点で、60代前後の「お金」はどう変わるかお話をさせていただきます。
還暦60代前後「貯蓄と負債」はどう動く?
さっそく、2021年5月18日に総務省統計局が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、世代別の貯蓄現在高・負債現在高を抜粋します。
最後に、貯蓄現在高から負債現在高を差し引いた「純貯蓄額」を見ながら、各世代の貯蓄額の動きをつかんでいきましょう。
世帯主の年齢階級別「貯蓄現在高」
平均(全世代)・・・1791万円
40代…1081万円
50代・・・1703万円
60代・・・2384万円
70代以上・・・2259万円
世帯主の年齢階級別「負債高」
貯蓄事情を眺めたあとは、「負債」ここからは、二人以上世帯の「負債現在高」そして、負債のうち「住宅ローン(※)」の残高を見ていきます。
※「家計調査」では「住宅・土地のための負債」と表記されていますが、ここでは便宜上住宅ローン」と記載します。
平均(全世代)
- 現在負債高…572万円(うち「住宅ローン」…518万円)
40代
- 現在負債高…1231万円(うち「住宅ローン」…1152万円)
50代
- 現在負債高…699万円(うち「住宅ローン」…620万円)
60代
- 現在負債高…242万円(うち「住宅ローン」…192万円)
70代以上
- 現在負債高…86万円(うち「住宅ローン」…66万円)
いずれの世帯も、負債のほとんどが住宅ローンといえそうです。次では、還暦60代前後の「純貯蓄(ほんとうの貯蓄額)」を見ながら、各世代の貯蓄事情が還暦60代をはさんでどのように動くかを確認していきます。