アパレル各社は、店舗とネットを連動させることで消費者が商品を購入しやすくなる「OMOストア」の出店を強化しています。これは顧客がサイトで選んだ服を店舗に取り寄せて試着したり、指名予約した販売スタッフによる接客を受けたりできる仕組みです。
大型サイネージを通じたコーディネート提案や、ECと連動した試着専用店舗の導入など、コロナ禍を機に加速するアパレルOMOの取り組みの具体例を紹介します。
顧客を店舗に誘導し、その体験をサイトに反映させる場所
コロナ禍で店舗への来店者は減少しましたが、ネット通販の売り上げは拡大しています。衣料品の需要も高いことから、アパレル各社はネット顧客の店舗への誘導にも力を入れています。
そこで重要視されているのが、店舗(オフライン)とネット(オンライン)を連動させて顧客の利便性や満足度を高める「OMO」(Online Merges with Offline)施策。「試着したい」などの要望を店舗で満たしながら、その体験をサイトにも反映させる戦略的な場が「OMOストア」と呼ばれる店舗とネットの融合店になります。
従来のアパレル企業は、多くの顧客を相手に同じような商品やサービスを提供してきました。ただ、コロナ禍で来店客が減少したのを機に、顧客ごとにパーソナルな提案を行う手法へと少しずつ舵を切りつつあります。
お気に入りの販売員による接客や、その人に向くコーディネート提案、サイズに合わせた商品の試着など、顧客を“個人”として捉え、その要望に応える取り組みが重要だと気づいたのです。
「OMOストア」はこういった顧客ニーズをすくい上げ、ブランドへの満足度を高める重要な役割を担っているといえるでしょう。