「老後は年金だけでは厳しい」単身世帯が半数以上

また、公的年金・企業年金(個人年金は除く)で老後資金をまかなえると思うかという質問に、「年金でさほど不自由なく暮らせる」と回答したのはたったの6%。

「日常生活費程度もまかなうのが難しい」が52.6%、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」が41.4%と、単身世帯のほとんどが、老後の生活にゆとりはなく、日々の生活ですら厳しいことがうかがえます。

なお、老後の生活における収入源(3つまでの複数回答)を見ると、単身世帯の公的年金の比率は6割弱で2人以上世帯の8割と比べ低く、就業による収入(52.6%)との2本柱になっています。一方、国や市町村などからの公的援助は10.2%と、2人以上世帯の2倍。単身世帯における老後の厳しさを表しているといえるでしょう(図表4参照)。

図表4:老後の生活における収入減(3つまでの複数回答、単位:%)

出所:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)各種分類別データ(金融広報中央委員会)

おわりに

単身世帯では、働き始めたばかりの20歳代だけでなく、30歳以上の世代でも金融資産非保有世帯の割合は高く、十分な老後資金の準備ができないままに老後を迎える人も多いようです。

貯蓄に不安がある場合、すぐに老後資金まで手が回らないかもしれませんが、まずは病気やケガ、失業など不測の事態に備えるところから始めてみてはどうでしょうか。

参考資料

中野 令子