60代以降「お金の寿命」って、どう延ばす?
お金には、「攻める時期」と「守る時期」があります。
「攻める時期」は、老後に向けて資産を大きく増やしていく期間です。つまり、主に仕事をしている「現役時代」といってよいでしょう。
一方「守る時期」とは、リタイヤ後の年金生活がそれにあたります。現在60代の方の多くは、この時期の入口に立っていることになりそうですね。
この2つの時期の大きな違いは、「リスクの許容度」にあるといえます。
「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」の登場で、身近な存在となりつつある「投資信託」を例に見てみましょう。
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用する商品。そして、その運用対象によってリスクとリターンの度合いは千差万別です。
この特徴を利用して、例えば「現役時代は、年率6%の株式型の投資信託で運用して、定年後は年率3%の債券型の投資信託に切り替えよう」というように、自分の生活の変化に応じて運用方法も見直すことが大切です。
もし、先ほどの60代(金融資産保有世帯)の貯蓄額の中央値に近い1400万円を、投資信託で年率3%の複利で15年間運用したとすると、およそ2181万円まで資産を増やすことができる計算になります。
「人生100年時代」となれば、60代の老後は30年以上あります。リタイヤ後は貯蓄を切り崩していくだけであではなく、引退後にただ資産を切り崩すのでなく、少しずつでも資産を増やしていければ老後生活の安心感にもつながるでしょう。
「細く長く」運用を継続していくことが、お金の寿命を延ばすコツの一つであるといえそうです。