国税庁「令和元年給与階級別の総括表」では、年収600~700万円に該当するのは男性で約9%、女性で約3%です。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は男性が約539万円、女性が約295万円ですから、「年収600万円」は男女ともに高収入の部類だといえるでしょう。

私はこれまで大手金融機関で1000世帯を超えるお客様のライフプランニングをおこなってきましたが、ほとんどの方から「普通ってどのくらい貯めているものですか?」とご質問がありました。

平均以上の収入を得ている600万円世帯は、一体いくらの貯蓄があるのか?今回は、貯蓄とあわせて負債にも着目しながらみていきましょう。

年収600万円台の世帯像

国税庁「令和元年給与階級別の総括表」を紐解いていくと、年収600万円台世帯(1年を通じて勤務した給与所得者)の平均値は以下とおりです。

  • 平均年齢:45.8歳
  • 平均勤続年数:16.9年
  • 平均給料・手当:517万5000円
  • 平均賞与:129万7000円
  • 平均給与(年収):647万2000円

月にして約43万の額面給与なので、社会保険料や税金を引かれても35万円程度の手取りが見込めます。

住んでいる地域にもよりますが、単身で年収600万円あれば趣味を楽しみながら貯金もでき、比較的ゆとりある生活ができる金額ではないでしょうか。

一方、世帯主が45歳ごろというと、子どもがいる世帯ではちょうど大学の進学時期にあたる可能性もあります。

子どもの学費とマイホームローンの返済で毎月カツカツだというご家庭も少なくないでしょう。

さきほどの統計では個人で年収600万の収入がある人はごくわずかでしたが、1980年以降は共働き世帯が増え続け、2012年からさらに急増しています。夫婦の収入を合わせると世帯年収600万円台を超えるというご家庭も多いでしょう。

実際のところ、年収600万円台世帯の貯蓄と負債のバランスはどうなっているのか、気になるところです。