新国立競技場の使い道が決まらないなら、維持費節約のために取り壊すという選択肢もあり得る、と筆者(塚崎公義)は考えています。
新国立競技場の使い道が決まらないかも
初めに明言しておきますが、筆者は新国立競技場の使い道等々について、全く詳しくありません。もしかしたら素晴らしい使い道があるのかもしれません。しかし、一部報道によれば、引き取り手が決まらずに維持費だけがかかり続ける可能性もあるとのことです。
そこで本稿は、仮に使い道が見つからず、維持費だけがかかり続けるとしたならば、という仮定での話をするものです。
当然出てくるであろう議論は、「何千億円もかけて作ったのに、無観客で数週間使っただけで取り壊すのはもったいない。残しておけば将来何かの用途に使えるかもしれないから、残しておこう」というものでしょう。
それこそ正に、サンクコストという考え方が標的にしている「間違えた発想」なのです(笑)。サンクコストというのは、払ってしまった金は戻らないので、払ってしまった金のことは忘れて、未来志向で最適な選択肢を選ぼうということです。
以下はサンクコストの一般論を記します。余談ですが、この言葉はサンキューのサンクではなく、沈んでしまったという意味の英単語が語源だそうです。
買った本がつまらなかったら読まずに散歩しよう
買った本を読み始めたら、つまらなかったとします。買った代金がもったいないからということで、最後まで読む人も多いでしょうが、多くの場合、結果は買った代金と読んだ時間の両方を損することになるわけですね。
読む時の心理は「もしかしたら、途中から面白くなるかもしれない」という淡い期待を込めて、ということなのでしょう。しかし、そうした可能性が決して大きくないことは本人が一番わかっているはずなのですが(笑)。