「遺言公正証書」のきまり
様式
- 遺言者の指示によって公証人が筆記し、遺言者、公証人、および証人(2人以上)が内容を承認し、署名・捺印
メリット
- 法律のプロである公証人が作成するため、遺言としての様式や内容面での不備は生じにくい
- 公正役場の遺言書検索システムで遺言の存在を調べることができる
デメリット
- 公証役場への申請が必要
- 作成の手数料(※)が必要。(※相続財産の額によって決まる)
遺言公正証書は、内容面での信頼性が高い点や、公正役場の遺言書検索システムで遺言の存在を検索できる、などの点から、いちばん確実性が高い方法です。
ただし、手数料や煩雑な手続きが要らないという点では、自筆証書遺言はより手軽に作成できる方法です。
遺言書を作っている人は、どのくらいいるの?
ところで「遺言」を書いている人って、どのくらいいるのでしょうか。
日本公証人連合会ホームページによると、遺言公正証書の作成件数は、2008年に7万6436件だったものが、2019年には11万3137件まで増えました。(※2020年には9万7700件です)
自筆証書遺言は遺言者自身が自由に作成できるものなので、正確な件数のデータはありませんが、司法統計から「家庭裁判所で検認を受けた件数」を知ることができます。
- 2005年・・・1万2347件
- 2012年・・・1万6014件
- 2013年・・・1万6708件
- 2014年・・・1万6843件
- 2015年・・・1万6888件
- 2016年・・・1万7205件
- 2017年・・・1万7394件
- 2018年・・・1万7487件
- 2019年・・・1万8625件
法務省「司法統計年報(令和元年度)第2表 家事審判・調停事件の事件別―全家庭裁判所
2011年以降をみるとほぼ横ばいですが、2019年にはやや増加しています。
ちなみに、法務局の「遺言書保管制度の利用状況」によると、2020年7月から2021年3月までの「遺言書の保管申請件数」は累計1万6721件。月平均にすると1800件を超えます。
コロナ禍で「いつ・何が起きても不思議ではない」こんにち。自筆で遺言書を作成する人の数は増えていくかもしれませんね。