みなさんは「年金請求書」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。

年金を受け取るためには、年金の請求手続きが必要なのですが、案外この手続きを知らない方は少なくありません。実際に、私の両親も「65歳になれば、国が自動的に年金を振り込んでくれる」と思っていたようでした。

せっかくコツコツと保険料を支払ってきたのに、手続きをしないばかりに「年金を受け取れない」なんて事態は何としても避けたいもの。そこで今回は、証券会社でファイナンシャルアドバイザーとして働いていた私から、「年金請求書」についてお話していきたいと思います。

日本の年金制度

まずは、年金制度の基礎知識からおさらいしていきましょう。

日本の年金制度は「2階建て構造」と言われます。

1階部分にあたるのは「国民年金(老齢基礎年金)」。日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があります。

そして2階部分は、おもに公務員や会社員などが、国民年金に上乗せで加入する「厚生年金」です。

つまり、将来受け取れる年金はそれぞれ以下のようになります。

  • 国民年金加入者:老齢基礎年金
  • 厚生年金加入者:老齢基礎年金+老齢厚生年金

日本年金機構によると、令和3年度の国民年金保険料は月1万6610円(一律)で、年金の受給額(満額)は月6万5075円となっています。

厚生年金の保険料は、収入額によって異なるため、将来もらえる年金額にも大きな個人差があることが特徴です。