一方、ビックカメラは全直営店舗に電子棚札を導入し、自社サイト「ビックカメラ.com」を含む店舗間での商品値札表示に差が生じないようにしました。それまでの手作業による差し替えと違い、電子棚札はネットワークにつながっていて、本部で価格を変更すると即時に全店舗で同一商品の値札が自動更新される仕組みです。ユーザーにとっては、ネットで探した商品を店頭商品価格と比べる手間が省けます。

サイトで注文した商品を指定店舗で受け取れる「店舗受け取りサービス」にも、電子棚札は役立っています。顧客からサイト経由で指定店舗に取り置き依頼が届くと、その商品の電子棚札に内蔵したLEDランプが点灯するため、確認や保管にかかわる作業が短縮化。商品の迅速な受け渡しにつながり、コロナの影響で店内滞留時間を減らしたいと考えている顧客のニーズに対応できます。

また、店舗で気になった商品の電子棚札にビックカメラのスマホアプリをかざすと、購入者のレビューや評価、在庫などがリアルタイムで確認できるのも便利です。スマホの内容を後でゆっくり比較検討したうえでサイトから注文できるなど、店舗とネットが連動したサービスといえます。

コロナの影響を機にリフォーム用バーチャル店舗を開設したのは上新電機で、AR(拡張現実)機能を使って「3密」を避けながら選んだ商品の設置がイメージできます。カタログに掲載する全商品を掲載し、チャットボット店員による説明や動画を通じた詳細な商品確認などが可能です。

まとめ

このように、家電のEC・通販を手がける企業の多くが大幅成長した要因には、送料無料や迅速配送、コロナ禍を受けての各種サービスなどが挙げられます。ただ、特別定額給付金の追加配布予定はなく、巣ごもりやテレワークによる在宅需要も一段落したことから、今後はこれほどの「特需」は見込めないかもしれません。

一方で、コロナ禍が追い風になり、各家庭にEC・通販での商品購入が定着したのも事実です。家電だけでなく生活用品や消耗品、飲料・食品など自宅時間を快適にする商品の提供と顧客視点に立ったサービスを展開することで、引き続き家電系企業の売り上げは伸びていくと思われます。

参考資料

通販研究所・渡辺 友絵