有店舗企業ではヨドバシカメラが前期比60.3%増と驚異的に伸びたのをはじめ、ビックカメラが同37.0%増、上新電機が同25.5%増と大きく躍進。EC・通販専業でもジャパネットたかたが同15.8%増、ストリームが同25.4%増と大幅増収になりました。

好調だったのは高額商品で、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電や、マッサージチェアなど美容・健康家電の売り上げが伸びました。外出自粛の生活様式が広がったことで、テレワーク用のデスクや椅子、パソコンなどの売り上げも拡大。加湿器や空気清浄機といった季節家電や調理家電など、在宅ライフを快適にする商品が好調でした。

隠れたヒット商品としては、ジャパネットたかたが手がける家庭用ウォーターサーバーと飲料水が挙げられます。契約利用者に専用のウォーターサーバーを無料レンタルし、定期的に富士山の天然水を宅配します。テレビショッピングでの販促効果に加えてステイホームや猛暑が追い風となり、契約申し込みが急増して自社工場で製造する天然水が不足するほど注文が殺到しました。

各社の顧客サービスも売り上げを後押し

これら家電系企業が好調な背景には、それぞれが手がける顧客サービスの効果もあると思われます。たとえばジャパネットたかたは、ヒットしたウォーターサーバーや天然水の品質とサービスに徹底的にこだわり、天然水の製造から水や専用サーバーの配送・設置、メンテナンスまですべて自社グループで手がけています。

ヨドバシカメラは、自社サイトのヨドバシ・ドット・コムで商品価格にかかわらず送料無料サービスを展開し、他社との差別化を図っています。通常なら配送料が高額な大型家電も離島などを除き無料で、配送日指定(一部商品を除く)にも追加料金はかかりません。

迅速配送にも注力し、「注文当日」や「翌日」の配送にも無料対応。さらに全国主要都市で展開する「ヨドバシエクストリーム便」は、家電をはじめ日用品、文具、ファッション品、食料品など800万点以上が追加料金なしで最短注文当日に届きます。こうして家電に限らず幅広い商品を在宅のまま迅速に入手できることも、売り上げを押し上げた要因といえそうです。