いまさら聞けない「老後2000万円問題」とは？

ここまで、国民年金と厚生年金の受給額を見てきました。老後の生活について、不安になった人もいるでしょう。ここで、老後の生活費のモデルケースとして2019年に話題となりました「老後2000万円問題」をもとに、老後生活にかかる費用を具体的に見ていきます。

金融審議会 「市場ワーキング・グループ第21回（厚生労働省提出資料）」によると、2000万円は以下のモデルケースをもとに算出されています。

高齢夫婦無職世帯（夫65歳以上、妻60歳以上を想定）

  • 毎月の収入(主に年金)：20万9198円
  • 毎月の支出(主に食費)：26万3718円

月々の不足額：▲5万4520円

この夫婦の場合、毎月約5万5000円の赤字が発生することになります。そして、この夫婦の老後が今後30年続いたと仮定して、必要となるお金を計算してみます。
 
5万5000円×12か月×30年＝1980万円　（≒2000万円）
 
老後の不足金額の合計は約2000万円になりました。これが「老後2000万円」の根拠です。あくまで仮定の話ですが、貯蓄の目標のひとつとして検討してみる余地はあるでしょう。