教育費や住宅ローンなどの完済が見えてくる50代。ほっと一息つける一方で、老後資金を貯めるラストスパートとともいえる年代です。定年後のセカンドライフを思い描くとともに、老後の生活も現実味を帯びはじめ、不安を感じる人も少なくないでしょう。

「老後資金には2000万円が必要」といわれていますが、実際に今の50代はどれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。二人以上世帯・単身世帯別の50代の貯蓄事情とともに、老後資金について考えます。

50代・二人以上世帯はいくらもっている?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年(2020年))」をもとに、まずは二人以上世帯・50代の貯蓄分布について確認しましょう。

【50代】二人以上世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)の分布

  • 金融資産非保有:13.3%
  • 100万円未満:6.4%
  • 100~200万円未満:5.3%
  • 200~300万円未満:5.3%
  • 300~400万円未満:2.8%
  • 400~500万円未満:3.4%
  • 500~700万円未満:8.3%
  • 700~1000万円未満:9.2%
  • 1000~1500万円未満:11.7%
  • 1500~2000万円未満:5.7%
  • 2000~3000万円未満:10.8%
  • 3000万円以上:13.8%
  • 無回答:3.9%

平均値 1684万円
中央値 800万円

平均値と中央値が大きく異なるのが分かりますが、平均は一部の大きな数値に引っ張られるため、実態よりも大きくなりがちです。中央値の800万円を参考にするといいでしょう。

分布を詳しく見てみると、50代ですでに2000万円以上貯金を保有している二人以上世帯は約25%。2000万円まであと一息の1000万円台の世帯は17.4%です。

一方で、100万円未満~1000万円未満の方は約40%を占めます。4割の方は1000万円以下という実態がわかりましたね。金融資産非保有の方も13.3%おり、貯蓄がある世帯とない世帯の二極化がわかります。