■デメリット4.団体信用生命保険の保険期間が短くなる
住宅ローンには基本、団体信用生命保険、通称「団信」という生命保険がついています。これは、住宅ローンの契約者が死亡・高度障害などによって、住宅ローンの返済ができなくなった時に、保険金が下りてローンの残高が完済される保険です。繰上げ返済をして残高を減らすと、団信の保障額が減り、期間を短縮してしまうと、団信の保障期間が短くなります。
さいごに
ここまでのお話を踏まえ、住宅ローンの繰上げ返済を「した方がいいケース」と「しない方がいいケース」をお伝えします。
◆繰上げ返済をした方がいいケース◆
変動金利で借り入れをしていて、金利が上昇した場合、繰上げ返済による利息を減らす効果は大きくなります。
そのため、今後金利が上昇すると予想している場合は、繰上げ返済をして早めの完済を目指すとよいでしょう。ただし、繰上げ返済にあてる資金は家計に影響しない余裕資金で行いましょう。
◆繰上げ返済をしない方がいいケース◆
住宅ローンの借入金利が住宅ローン控除の控除率1%以下である場合は、利息よりも控除額の方が多いため、控除期間中は繰上げ返済はしない方がいいでしょう。
また、今後、教育費の負担が増える、収入が安定しないなど、家計に余裕がない場合は繰上げ返済よりも、手元資金を増やすことに注力しましょう。
他にも、小さい子どもがいる働き盛りの年代では生命保険としての団信のメリットは大きいため、繰上げ返済はせずに保障期間を長くとった方がいいでしょう。
参考資料
石倉 博子