年金はいくらもらえる?

ではここで、老後の収入のかなめである公的年金がいくらもらえるか見ていきます。
厚生労働省が2020年12月に公表した「令和元年度(2019年度) 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60代の年金を見ていきましょう。

厚生年金保険(第1号)の平均年金月額

  • 60~64歳:7万6681円
  • 65~69歳:14万2972円

※厚生年金保険(第1号)の年金月額には、基礎年金月額も含まれます。

国民年金の平均月額

  • 60~64歳:4万2023円
  • 65~69歳:5万7108円

仮に、60歳代後半の「サラリーマンの夫と専業主婦」が、それぞれ平均年金月額を受給した場合を想定すると、2人合わせてもらえる年金は約20万円となります。

ちなみに、生命保険文化センターの意識調査によると、ゆとりのある老後生活を送る場合、毎月平均36万1000円必要である、という結果も出ています。

これらのデータをみると、毎月の不足額がかなりの金額になる世帯が多いことが考えられます。

では、60代のみなさんは、どの程度貯蓄されているのでしょうか。

60代の2割が「無貯蓄世帯」~老後破産予備軍?~

最後に、金融資産を持たない世帯も含めた「年齢別金融資産保有額」より、60代の金融資産保有額もみていきましょう。

  • 金融資産非保有…18.3%
  • 100万円未満…3.5%
  • 100~200万円未満…4.0%
  • 200~300万円未満…4.0%
  • 300~400万円未満…3.3%
  • 400~500万円未満…4.0%
  • 500~700万円未満…5.3%
  • 700~1000万円未満…7.5%
  • 1000~1500万円未満…7.5%
  • 1500~2000万円未満…6.3%
  • 2000~3000万円未満…13.3%
  • 3000万円以上…19.6%
  • 無回答…3.3%

金融資産未保有世帯、つまり「無貯蓄世帯」が約2割存在する一方で、3000万円以上保有している世帯も2割います。こうした「老後の貯蓄格差」が見てとれる点は、看過できないといえそうです。

セカンドライフの早い段階で、いわゆる「老後破産」といった状態に陥ることは避けたいものです。そのために、今からできること考えていきます。