60代の貯蓄「前年より減った」は3割以上

ところで、60代といえば「住宅ローンや教育費もほぼ払い終わり、年金収入もあるから大丈夫だろう」とイメージされている方もいらっしゃるでしょう。

そこで同調査から、60代(金融資産保有世帯)の「資産が1年前と比較してどうなったか」をみていきます。

金融資産残高の1年前との増減比較(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 増えた:17.6%
  • 変わらない:42.0%
  • 減った:32.2%
  • 無回答:8.3%

「増えた」と答えた人が17.6%であるのに対し、「減った」と答えた人は2倍に近い32.2%となっています。

では、いったいどのような理由で金融資産が減ったのかも見ていきましょう。

  • 定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから:48.6%
  • 耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから:31.8%
  • 株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから:27.1%
  • こどもの教育費用、結婚費用の支出があったから:12.1%
  • 土地・住宅購入費用の支出があったから:3.7%

こうしてみてみると、普段の生活費として資産を取崩している部分が大きいことが分かります。年金だけを頼りにすることは難しい実状を映していると言えるでしょう。

セカンドライフを楽しく暮らしていくには、こうした生活費以外の支出も念頭に資産を用意する必要があるということもわかります。

「備えあれば、憂いなし」

さまざまな事態を想定をして、老後の暮らし方について考える必要がありそうですね。