いま、ふるさと納税で話題になのが東京都三鷹市にあるジブリ美術館です。
世界中で愛されるジブリ作品を満喫できる人気施設ですが、新型コロナウイルスによる臨時休館や入場制限の影響で、大幅な赤字に転落しました。
積み立て修繕費から3億5000万円を取り崩し、市からも5000万円の支援を受けたものの「運営の限界にきている」と三鷹市は判断し、ふるさと納税サイトで寄附を呼びかけます。
そうすると、募集開始の2021年7月15日に、たった1日で目標額1000万円を達成。
その後も2590万円(2021年8月4日時点)を超える寄附が集まっています。
「返礼品なし」にも関わらず、「ジブリ愛」によって驚きのスピードで寄附を集めました。
ふるさと納税といえば返礼品のイメージが大きいかもしれませんが、三鷹市の例のように応援したい自治体を自分で選べるのも魅力です。
今回は、そんな「ふるさと納税を楽しむためのキホン」をご紹介したいと思います。
ふるさと納税をたのしむための4つのキホン
「豪華な返礼品がもらえるみたいだけど、手続きが面倒そう……」
「地元のためにふるさと納税デビューしたいけど、実はよくわかっていない」という方も多いかもしれません。
ここでは、ふるさと納税デビュー前に知っておきたいポイントを4つにまとめてみました。
さっそくみていきましょう。
キホン①ふるさと納税は、都道府県・市区町村を自分で選べる「寄附」
ふるさと納税は、地方の税収を支えるためにつくられた寄附制度です。
「納税と寄附、どっちなの?」と混乱する方も多いのではないでしょうか。
もとを辿ると、医療・教育などの住民サービスは各自治体の税収でまかなわれています。
ところが地方では、進学や就職となると若い人が都会に出ていってしまい、住民サービスを維持するための税収が減って運営が厳しいという問題があります。
大人になって都会に移り住んでも、自分を育ててくれた「ふるさと」に貢献できる制度があってもいいのではないか?という議論からうまれたのが「ふるさと納税制度」です。
所得税や住民税を自分がいま住んでいる自治体にただ税金として払うのではなく、自分の好きな自治体に「寄附」という形で納められる仕組みになっています。
キホン②「節税」ではなく、税金の「前払い」
ふるさと納税で自分が選んだ自治体に寄附をすると「年間で寄附を行った金額から自己負担額の2000円を除いた全額」が所得税や住民税から控除されます。
たとえば、3万円分の寄附を行った場合、3万円-2千円=2万8千円が税控除の対象になります。
この時注意したいのが、控除といっても、支払う税金の総額自体が減るわけではないことです。
もともと支払う予定の税金をふるさと納税で「前払い」をしていることになりますので、「節税はできない」というところは覚えておきましょう。
また、年収や扶養家族の人数などにより、年間いくらまでの寄附ができるかの上限が決められています。
自分の上限額を知りたいという方はふるさと納税サイトで計算してみましょう。
キホン③確定申告とワンストップ特例制度のちがい
ふるさと納税で寄附金の税控除を受けるには2つの方法があります。
■確定申告の場合
原則、寄付金の税控除を受けるためには「ふるさと納税を行った翌年の3月15日まで」に確定申告が必要です。
確定申告を忘れると、ただ寄附をしただけになるので注意しましょう。
確定申告が必要な人は以下のとおりです。
- 自営業者でもともと確定申告が必要な人
- 医療費控除を受けるなど、ふるさと納税の有無に関わらず確定申告が必要な人
確定申告を行うと、下記の2種類の税控除を受けることができます。
- 所得税:ふるさと納税を「した年」の所得税からの税控除
- 住民税:ふるさと納税を「した翌年」の住民税からの控除
■ワンストップ特例制度の場合
「確定申告」と聞くだけで面倒くさそう……と思った方は、「ワンストップ特例制度」を使い、確定申告なしでお手軽にふるさと納税を楽しみましょう。
ワンストップ特例では、寄附先の自治体からワンストップ特例申請書が送られますので、その書類を送り返すだけで手続きができます。
申請期限は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までです。
年末年始の慌ただしさでうっかり申請期限を過ぎると確定申告が必要になります。
余裕を持って申請するのがおすすめです。
ワンストップ特例を利用できる人は以下のとおりです。
- 確定申告の必要がない給与所得者
- 1年間で寄附した自治体が5団体以内
ちなみに、ワンストップ特例制度を使った場合の税控除は、住民税が対象になります。
所得税からの控除はありませんが、ワンストップ特例制度を使った控除額の全額がふるさと納税を行った翌年の住民税から控除されます。
キホン④応援する自治体の選び方
制度も理解できたし、今年はふるさと納税デビューしよう!と思ったら、ふるさと納税サイトから応援したい自治体を選びましょう。
地域それぞれの魅力的な返礼品がありますし、冒頭の三鷹市のように返礼品はないけど応援してほしい!という自治体もあります。
自分の寄附できる上限金額までであれば複数の自治体に寄附をすることもできます。
迷ったときはいくつかの自治体に分けてもいいですね。
とはいえ、ふるさと納税サイトは今ではたくさんあります。
どのサイトを使えばいいか分からない……という時は、各ふるさと納税サイトの特徴や掲載自治体数などが一覧になった比較サイトも活用してみましょう。
おおまかなサイトの違いを確認して、自分にあったふるさと納税サイトから自治体や返礼品を探すと効率的です。
まとめにかえて
今回は、ふるさとの納税のキホンについて、お話ししてきました。
この制度ができるまでは、いま住んでいる自治体にただ税金を払っているだけというのが当たり前でした。
どちらにせよ払わないといけない税金を通して地域の特産を楽しめるなど、ふるさと納税は魅力的な制度です。
しかし、もともと支払う税金について「節税できる」と思っていた方にとっては少し残念だったかもしれません。
手軽に節税をしたい方には、イデコや生命保険料控除が使える保険系の金融商品なども検討してみるといいかもしれませんね。
参考資料
尾崎 絵実
