国民年金・厚生年金「働き方」でこれほど変わる受給額

「夫婦の働き方」と老後の年金

いまのシニア世代が国民年金・厚生年金をどのくらい受け取っているかを見てきました。

ここでいったん、「夫婦世帯の年金収入」という視点で考えてみましょう。

夫婦の働き方は、夫婦合算の年金額をどのように変えそうでしょうか。夫婦がそれぞれ、さきほどの「男女別平均年金月額」を受け取ることを仮定して、単純計算してみたいと思います。

夫婦合算：21万8469円（夫16万4770円＋妻5万3699円）

夫婦合算：26万7929円（夫16万4770円＋妻10万3159円）

夫婦合算：11万2565円（夫5万8866円＋妻5万3699円）

夫婦合算：16万2025円（夫5万8866円＋妻10万3159円）

みなさんのご家庭は、どのケースに該当しそうでしょうか。

上記は男女それぞれの「平均年金月額」に基づいて単純計算したものです。あくまでも比較の際の参考となさってください。

とはいえ、老後にもらえる年金額は「働き方」次第でかなり違う、ということを実感された方もいらっしゃるでしょう。

国民年金保険料を全期間（40年間）納めた場合に受け取る満額の国民年金は、6万5075円（令和3年度）。ケース3の夫婦が、それぞれ満額を受給できた場合でも、世帯の年金収入はひと月13万円ほどです。

国民年金「だけ」を受給する方であれば、まずは付加保険料の納付、国民年金基金への加入などの、年金を増やす工夫から始められてもよいかもしれませんね。

また、厚生年金に加入されている場合、国民年金よりも手厚い受給額が期待できることは確かです。しかし、若いころの稼ぎには及ばない年金額であることは心づもりしておきたいものです。

理想の老後は人それぞれですので、「生活費はいくら必要」と一概には言い切れませんが、年金以外の収入源や貯蓄を確保しておきたい、と考える方が多数派なのではないかと思います。