バランスのよい資産形成を
今回は、勤労世帯の「年収と貯蓄」の関係にフォーカスしました。
年収に応じて貯蓄が増える、という傾向はありますが、完全に「比例関係にある」とはいえないようです。
ご覧いただいた通り、勤労世帯の負債の大部分を占めるのは住宅ローンです。同時に、お子さんの教育費の捻出が必要となる世帯も多いでしょう。
住居費・教育費、そして老後資金を「人生の三大出費」といいます。最初のふたつについては、いつごろ・いくら必要になるかのメドが立てやすいでしょう。
一方、老後資金の目安はつかみにくく、働き盛りのみなさんにとっては「まだまだ先のこと」であるがゆえに、実感がわきにくいのは自然なことです。
老後の暮らしには、2000万円、ないしはそれ以上が必要となる、などともいわれていますね。いずれにしても、多くの世帯にとって、一朝一夕で準備できる金額ではないはずです。
手持ちの資産を、預貯金・保険、そして資産運用にバランスよく振り分けながら、コツコツとお金を貯めて・育てていかれることをお勧めします。
少額からコツコツとつみたて投資をしたい場合は、つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった国の税制優遇制度の活用を検討されてもよいでしょう。
最適な運用スタイルや金融商品は、人によって違います。お金のプロを味方につけて、より効率的にお金を貯めて、増やすためのヒントを見つけていきましょう。
参考資料
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます
【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額