導入目的は「成果に合わせて処遇の差をつけたい」が多い
ジョブ型雇用を導入済み、または導入検討中の企業に導入目的を聞くと、「従業員の成果に合わせて処遇の差をつけたい」が最も多く65.7%。2位は「戦略的な人材ポジションの採用力を強化したい」(55.9%)、3位は「従業員のスキル・能力の専門性を高めたい」(52.1%)が、いずれも過半数の企業で挙げられていました。
一方で、ジョブ型を「導入しない方針」と回答した企業の理由としては、「今の人事制度が自社のビジネスに適合的だから」が57.3%と最も多く、「導入のメリットよりもデメリットが多いと思うから」(31.8%)、「導入のノウハウや知識が無いから」(26.1%)という答えが続きました。
ここで興味があるのは、企業がジョブ型雇用に積極的/消極的と分かれる、その違いはどこにあるのか、ということですよね。
レポートの分析紹介を続けると、ジョブ型導入済み企業には「職務給・役割給導入」の傾向が強く、「脱・年功主義的」な制度運用がなされていること。また、過半数の企業が「ほとんどの職務」に対して職務記述書を積極的に作成しているとのことです。
日本では職務記述書の作成がジョブ型雇用の障壁になっているとも言われていますが、当レポートへの回答企業全体では「ほとんどの職務に対して作成」している企業が35.3%であるのに対し、ジョブ型導入済み企業では54.9%と20ポイント近く高くなっていました。