60代で定年を迎えたあとも働き続けるシニア世代が増えていますね。

「スキルや知識を後進に伝える」「社会と接点を持ち続けたい」「老後資金をもう少し貯めたい」など、仕事を続ける理由はひとそれぞれでしょう。

私はこれまでファイナンシャル・アドバイザーとして多くのお客様のファイナンシャル・プランニングを担当させて頂きました。やはり、「老後のお金」「年金」といった話題に関心をお持ちの方も多くいらっしゃいました。

何歳まで働き続けるかを選びやすい時代にはなりましたが、十分な老後資金を準備してゆとりある年金生活を送りたいものですね。

そこで気になるのが「年金額」です。いまどきのシニア世代は、どのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省の資料をもとに、年金受給額の実態を深掘りしていきます。

年金制度のしくみ

さいしょに、日本の年金のしくみの基本をおさらいしましょう。

日本の年金制度は、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分にあたる「厚生年金」からなるため、「2階建て構造」などと呼ばれます。

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方が加入するもので、日本の年金制度の土台部分になります。国民年金のみに加入していた場合に老後受け取る年金は、「老齢基礎年金」です。

また、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入します。厚生年金に加入している場合に老後受け取る年金は、「老齢基礎年金」プラス「老齢厚生年金」です。