定年退職後の悠々自適なセカンドライフを楽しみに、いま頑張っているという人は多いのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の影響で、自宅で過ごす時間も長くなり、今までなら考える暇もなかった退職後の生活を具体的に考えてみた、という人も少なからずいらっしゃると思います。

そんななか、皆さんはいくら年金を受け取ることができるか、ちゃんと把握できていますか。

長年にわたり生命保険会社に勤め、多くの人の老後のお金の相談を受けてきた経験もふまえ、今回は定年退職後の収入となる国民年金と厚生年金の受給額についてお話ししていきます。

国民年金「ひと月いくら」受け取れるのか

自営業・フリーランスなどの「第1号被保険者」や、専業主婦(主夫)などの「第3号被保険者」は、老後に「老齢基礎年金」を受け取ります。まずは、その年金月額をみていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和元年度(2019年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下のようになります。

国民年金・平均年金月額

全体…5万5946円
男性…5万8866円、女性…5万3699円

国民年金【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~1万円未満…1万2693人
  • 1万円以上~2万円未満…6万803人
  • 2万円以上~3万円未満…22万1983人
  • 3万円以上~4万円未満…70万6206人
  • 4万円以上~5万円未満…134万5582人
  • 5万円以上~6万円未満…312万4529人
  • 6万円以上~7万円未満…849万4551人
  • 7万円以上…38万1323人

国民年金【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~1万円未満…6万6247人
  • 1万円以上~2万円未満…24万4695人
  • 2万円以上~3万円未満…74万63人
  • 3万円以上~4万円未満…226万4161人
  • 4万円以上~5万円未満…336万406人
  • 5万円以上~6万円未満…454万1337人
  • 6万円以上~7万円未満…598万7227人
  • 7万円以上…144万306人

国民年金の受給額には、男女差は大きくありませんね。

これは、国民年金が、日本国内に住むすべて20歳から60歳の人を加入対象としており、保険料については定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)をとっていること、また20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差引く計算方式をとっているためと考えられます。

※ちなみに、令和3年度の国民年金保険料は月額1万6610円、国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万5075円です。