総務省統計局が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯の貯蓄現在高の平均値は1791万円で、前年より36万円増えています。また、負債現在高の平均値は572万円で、前年より2万円増えています。
長期化するコロナ禍。働き盛りの現役世代にとって、「仕事」と「お金」をめぐる動きは、依然として見通しが立ちにくい状態が続きそうです。財布のひもを締め直した、というご家庭も多いでしょう。
一方、バブル期のいわゆる「いい時代」にキャリアのピークを迎えた方も多いシニア世代。貯蓄や年金の面で、今の現役世代よりも「恵まれている」ようなイメージを持たれることもあるかもしれません。
老後、とりわけ70代を過ぎてからの貯蓄は、生活の安心感に直結するものであるといえるでしょう。そこで同調査の結果より、70歳以上世帯の貯蓄額を眺めていきます。
70歳以上世帯の平均貯蓄額は?
前述の総務省統計局の資料によると、70歳以上・二人以上世帯の貯蓄・負債の平均は以下のとおりです。
70歳以上世帯の貯蓄
- 貯蓄現在高:2259万円
- 負債現在高:86万円
70歳以上の貯蓄額は、全体における平均値より468万円多いですね。貯蓄から負債を差し引いた「純貯蓄額」は2173万円です。
ちなみに、一つお隣の世代である60歳代世帯の純貯蓄額は2142万円でした。2つの世代を単純に比較することはできませんが、70歳以降も、大幅に貯蓄を切り崩すことなく暮らしている世帯がある程度存在する、という点は確かであるといるでしょう。
次では、70歳以上・二人以上世帯の貯蓄の「中身」について、さらに深くみていきます。