70歳以上「老後の貯蓄」3000万円以上あるのは何割?

ここまでご紹介したデータはあくまでも平均値。どのくらいの世帯に、どの程度の貯蓄があるのかは分かりません。

実は各年代一定数の貯蓄「100万円以下」世帯が存在しており、一方で貯蓄「2000万円」や「4000万円」を超える世帯もあります。

そこで、70歳以上の貯蓄現在高階級における世帯数(抽出率調整済実数)をまとめたグラフから、貯蓄額の分布を確認していきます。

まず、2019年に金融庁のレポートで話題となった「老後資金2000万円」を70歳以上でキープしている世帯は79万6297世帯。70歳以上世帯全体の約39.6%です。

これを「老後資金を3000万円以上」保有している世帯に絞ると、51万2808世帯で、70歳以上世帯全体の25.5%となっています。

これらの割合だけを見ると、70歳以上の世帯の多くは、老後資金をしっかりキープしているようにも思えます。

しかしグラフからは、70歳以上の貯蓄事情も他の若い世代同様、「持つ世帯」と「持たざる世帯」に二極化していることが分かります。

「300万円未満」と「4000万円以上」の世帯数がそれぞれ約30万台前半となっており、いわゆる「老老格差」ともいえる現象が起きているといえるでしょう。