また、“雑談"不足解消のためのバーチャルオフィスの事例なども紹介しています。よくある流れですが、個人的には微妙な感じもします。
興味深いのは、レポート冒頭で日本のテレワークの歴史が紹介されており、「2008 新型インフルエンザ」「2011 東日本大震災」「2013 世界最先端IT国家創造宣言」時に、テレワークは“一瞬流行って、その後廃れる"を繰り返しているそうです。
もしかすると、日本のビネス構造・スタイルとテレワークは根本的に相性が悪いのかもしれません。ただ、今回のコロナ禍におけるテレワークは、ちょっと事情が違う気もするのです。
その理由としては、大企業を中心に加速する「ジョブ型雇用」の浸透があります。このカタチとテレワークは相性が良い。つまり“テレワークのやり方"をカイゼンするのも大切だとは思いますが、“ビジネスのカタチ"が根本的に変わらないと、その効果はでてこない気も、ちょっとしますね。
たとえば、“まだらテレワーク"におけるテレワークする/しないの基準が明確化されず、部署ごとの現場判断で曖昧運用され、それが社員のストレスにつながったり、業務効率低下になっているケースもあるのではないでしょうか。
結局、日本人の働き方が大きく変わらないと、テレワークは定着しない気がします。日本がテレワーク先進国になるのは、まだ相当、時間がかかるのではないでしょうか。
参考資料
- 中小企業のテレワーク実施状況に関する調査(2021年6月16日、東京商工会議所)
- 「まだらテレワーク」時代の企業と組織(総務省)
榎本 洋