これをみると、世帯1人当たりの月手取りが多くても、将来受け取れる年金額がほとんど横ばいとなっています。所得代替率を見ても、現役中に比べ、半分または半分以下の収入になるようです。
厚生年金は所得に応じて現役期間中に支払う厚生年金保険料が変わるため、多く払っている人はその分多くもらえるという性質がありますが、青天井で多くなるわけではありません。
生活水準は収入に比例することが多いですから、年金生活になったからといって、いままでの何割も生活費を減らすことは難しいでしょう。
生活水準を下げずに、いままで通りの暮らしを続けるには、足りないお金を預貯金などから補う必要があります。
国民年金・厚生年金の平均受給額
ここからは、現在の年金受給額を確認していきましょう。
まずは、国民年金の受給額です。自営業・フリーランス(第1号被保険者)、専業主婦(第3号被保険者)の方などは、国民年金を受け取ることになります。
国民年金の平均受給額(令和元年度末現在)
全体:5万5946円
- 男性:5万8866円
- 女性:5万3699円
国民年金は納める保険料が収入により増減することはないため、男女の差はあまりなく、平均額も同じような受給額となっています。
とはいえ、月5万円台で生活にかかるすべてをまかなうというのは至難の技といえますね。
つづいて、会社員や公務員が受け取る厚生年金の平均受給額をみてみましょう。
厚生年金の受給額(令和元年度末現在)
全体平均額:14万4268円
- 男性平均額:16万4770円
- 女性平均額:10万3159円
男性と女性の平均年金額は約6万円と大きな差があります。
女性が働くことは今やまったく珍しくなくなりました。とはいえ、女性の場合は産休・育休を取得することが多く、キャリアアップよりもワークライフバランスを優先する方が多いことなども、この受給額の男女差の背景にありそうですね。
公的年金だけを収入源とする場合、毎月の生活はカツカツ状態で何とかやりくりし、不足する生活費・趣味や旅行などのゆとり費用は預貯金等からまかなうことになる可能性が高いことが考えられます。