退職金の受け取り方法は「ライフプランに合わせて」総合的に判断を
上記のシミュレーションは、あくまでも一例であり、その人の収入や家族構成、ライフプランなどによっても適した方法は変わってきます。また企業によっては、一時金と年金受け取りの併用ができる場合もあります。利率や受け取り年数などの詳細も含めて、事前に確認しておきましょう。
一時金で受け取るメリットは、退職所得控除によって税負担が軽減されるだけでなく、住宅ローンの残債がある場合など、一時金によって清算できれば、以後の利息の負担をなくすことができます。
一方で、長い老後を考えて計画的にお金を使うことができないタイプの人は、一時金で受け取ることは避けた方がいいかもしれません。
年金受け取りは税金や社会保険の負担が増える可能性がありますが、定期的に振り込まれるため、使い過ぎを防ぎ、一定期間安定収入を得られるメリットがあります。
受け取り額の差だけに注目するのではなく、ご自身のライフプランに合った選択ができると老後の安心につながるでしょう。
参考資料
- 国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」
- 国税庁「退職所得の源泉徴収税額の速算表」
- 国税庁「公的年金等の課税関係」
- 国税庁「給与所得控除」
- 国税庁「基礎控除」
- 国税庁「配偶者控除」
- 国税庁「所得税の税率 所得税」
石倉 博子