退職金をアテにして大丈夫?
ここまでのデータから、「自分はそれなりに勤続年数があって順調に昇進しているから、老後は退職金で安泰だろう」とホッとなさった方もいらっしゃるでしょう。
実はここでちょっと注意が必要かもしれません。退職金をアテにできるのは、あくまでもお勤め先に「退職金の制度がある場合」です。
退職金制度を設けるかどうかは、会社が自由に決めることができるのです。
厚生労働省の「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況」では、退職給付制度がある企業は80.5%。つまり、残りの2割程度は制度自体を設けていないというわけです。この割合は、企業規模や業種によってもばらつきがあります。
さらにいうと、退職金の金額は年々減り続けています。厚生労働省「就労条件総合調査」によると、退職金の平均額は、2003年から2018年の15年間で約700万円も減少しています。また、退職金制度そのものを設けない会社も増えています。
転職を考えた場合などは、頭の片隅に入れておくとよいかもしれません。
「捕らぬ狸の皮算用」という結末にならないよう、勤務先の退職金制度については、早めに確認しておきましょう。