新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大以降、おうち時間が増えた、ストレスが溜まっているので癒しが欲しいなどの理由でペットを飼い始める人が増えたそうです。
しかし、外出自粛要請が緩和されて家にいる時間が減った、思ったよりお金や手間がかかる、コロナで収入が減って飼えなくなったなどの理由でペットを手放す人が出てきたといいます。
ペットを飼うということは、その子の命を預かるということです。生きているので食事や排泄をしますし、病気になって想像以上にお金がかかることもあります。
前もってペットにどれくらいお金がかかるのかを知っておき、本当に最後までお世話できるのか、病気になったり年老いたりしたときに適切なケアができるのかを考えてみましょう。
ペットの飼育にかかる費用は?
アニコム損害保険株式会社が行った「ペットにかける年間支出調査 2020」によると、フードやおやつ、ケガや病気の治療費、日用品や洋服など、ペットのお世話にかかる年間費用の平均額は、犬が約34万円、猫が約16万円となっています。
ただし、犬は体の大きさによって金額が異なり、小型犬と大型犬では10万円以上の差があるので注意が必要です。
- 小型犬:32万250円
- 中型犬:38万3,273円
- 大型犬:47万9,020円
これだけ金額に差が出る主な理由は食事です。体が大きくなるほど食べる量も増えるので、フード・おやつ代に大きな差が出てきます。
犬猫以外のペットの場合
「ペットにかける年間支出調査 2020」では、うさぎ、鳥、フェレットのお世話にかかる年間費用も調査されています。結果は以下のとおりです。
- うさぎ:8万3,612円
- 鳥:6万2,635円
- フェレット:6万6,458円
ここで紹介した金額はあくまで平均であって、これ以上の費用がかかる可能性もあります。自分や家族の生活費以外に年間数万円、数十万円という支出があると、家計のやりくりが厳しくなる人もいるのではないでしょうか。
ペットの医療費は高額
ペットがケガをした、病気になったというときには動物病院で治療を受けることになりますが、健康保険制度がないペットの治療費は高額になるケースが多いものです。
民間のペット保険もは存在しますが補償対象外の治療がありますし、持病がある子だとそもそも保険に加入できない可能性があります。
日本獣医師会発表の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)」から、ペットの診療料金の概要を見てみましょう。
以下は代表的な費用について、各項目でもっとも割合が大きかった金額帯を抽出しています。
- 初診料:1,000円~2,000円未満(73.6%)
- 再診料:500円~1,000円未満(76.3%)
- 入院料(小型犬・1日):2,000円~3,000円未満(50.0%)
- 入院料(中型犬・1日):3,000円~5,000円未満(56.6%)
- 入院料(大型犬・1日):3,000円~5,000円未満(56.2%)
- 入院料(猫・1日):2,000円~3,000円未満(54.4%)
- 皮下注射:1,000円~2,000円未満(64.5%)
- 狂犬病ワクチン:2,000円~3,000円未満(48.4%)
- 犬混合ワクチン(5種・6種):5,000円~7,500円未満(71.8%)
- 猫混合ワクチン(FeLV含む):5,000円~7,500円未満(56.6%)
人間であれば健康保険制度によって1割~3割の自己負担で済みますが、ペットの場合は原則全額自己負担。犬混合ワクチンを受けるために病院に連れて行き、初診料とワクチン代を請求された場合、それだけで1万円近くかかる可能性があります。
入院や手術となると、数万円、数十万円という費用がかかることもあるでしょう。ペットを迎えるのであれば、フードやおやつ、トイレなどの日常生活に必要な費用だけでなく、高額な治療費に備えておくことが大切です。
ペットも歳をとる。いつか来る介護のことも考えて
最近はワクチン接種の普及や医療の向上によって、長生きするペットが増えています。しかし、元気に長生きするとは限りません。
ペットも歳をとればトイレを失敗したり病気が増えたりして、介護が必要になることがあります。そこまで考えずにペットを飼い、介護が大変だから、トイレを失敗するからと長く連れ添ったペットを捨てる人もいるそうです。
もし自分が歳をとったときに、邪魔だからと家族に捨てられたら…。ぜひそこまで考えたうえで、ペットを飼うかどうかを決めて欲しいと思います。
ペットを飼うにはお金と時間の余裕が必要!
インターネット上には愛らしいペットのニュースや動画が溢れています。しかし、実際に自分が飼うとなると、かわいいだけでは済みません。
食事やトイレのお世話が必要ですし、イタズラで家具が壊れたり、病気になって高額な治療費がかかったりすることもあります。いずれは介護も必要になってくるでしょう。
筆者が子どものころは、犬、猫、鳥、金魚など、たくさんのペットが家にいました。今でも動物は大好きですが、フリーランスという不安定な生活を続ける限りはペットは飼わないと決めています。
「やっぱり飼えない」と手放されたペットの行き着く先には殺処分があります。どうかペットを飼うと決める前に、最後まで面倒を見切れるかを冷静に考えてみてくださいね。
参考資料
- ペットにかける年間支出調査 2020(アニコム損害保険株式会社)
- 保険金をお支払いできない主な場合(アイペット損害保険株式会社)
- 小動物臨床/小動物診療料金(日本獣医師会)
吉田 貴絵
