鳥貴族が2021年7月期第3四半期に経常利益で▲20億円もの赤字を計上しました。2014年のIPO後、一時は一斉を風靡しましたが、2017年10月の値上げで潮目が変わりその後はコロナ禍もあり逆風が続いています。

新たに始めるチキンバーガー事業も加えることで、鳥貴族はかつての輝きを取り戻すことができるのでしょうか。今後の行方が注目されます。

2021年7月期第3四半期で▲20億円の大赤字を計上

コロナ禍の中で東京などに出された3度目の緊急事態宣言は2021年6月20日で解除されましたが(沖縄県は7月11日まで)、多くの外食店の経営状態が悪化しています。特に居酒屋は利益率の高いアルコール類の提供ができず苦戦中です。

ほとんどのメニューを統一価格(現在は税抜298円)で提供し、デフレ経済の下で店舗数を急拡大した鳥貴族(鳥貴族HD:3193)も例外ではなく、2021年7月第3四半期(Q3)決算において経常利益▲20億円と過去最大の赤字を計上しました。Q2比でQ3は経常利益の赤字額が約▲10億円増加しています。

緊急事態宣言の解除後も外食店でのアルコールの提供は制限されるため、Q4も厳しい状態の継続が予想されます。ただし2021年7月期Q3時点で純資産合計42億円が残されており、四半期で10億円レベルの赤字を計上しても、あと1年間は経営の維持ができる状態です。また鳥貴族は緊急事態宣言の間は営業を見合わせていましたが、2021年6月21日より営業を再開しておりQ4は状況の改善が見込まれます。