この対立はすぐに終わるものではなく、中長期的に続く。
バイデン政権が終われば米中対立にも変化が訪れると感じる人もいるかも知れないが、中国を最大の競争相手と位置付ける米国の考え方は、共和党や民主党を超えた超党派的なものであり、脱トランプを掲げるバイデン政権も対中では大きく変わらないのである。
すでに出ている間接的貿易摩擦の影響
今後、日本経済にどのような影響が出てくるかを現時点で明確にはできないが、既に摩擦の広域化によって間接的貿易摩擦の影響を受けている日系企業が出てきている。
ユニクロは米国への輸入差し止めやフランスでの刑事告発など、海外での経済活動で制限を受け、カゴメやミズノなどはウイグル産綿花やトマトの使用停止を発表している。
G7会合は政治の話ではあるが、その影響はそこだけに留まらない。世界経済における主要国間の対立は今まで以上に激しくなってきている。
政治と経済のハードルが低くなっている今日、日本企業としては政治的な影響がどう企業活動に及んでいくかを日々注視し、リスクを最小化できる危機管理対策を前もって練っておく必要があるだろう。
和田 大樹