離婚した場合、しなかった場合の年金額

【離婚した場合】

先ほどの例(厚生年金の受給額:80万円(平均給与30万円くらい)、婚姻期間:25年、勤続期間:40年)で3号分割をした場合、厚生年金から25万円が受け取れます。基礎年金を満額の78万円受給できるとすると、合計で103万円の年金額となります。月額約8万6000円です。

【離婚しなかった場合】

厚生年金の受給額が80万円の場合、これに夫婦二人の基礎年金(満額78万円)を加えると、世帯の合計は236万円となります。月額約20万円です。

一人分と二人分なので単純な比較はできませんが、生活費を考えると、夫婦で20万円の年金で暮らす方がゆとりがあります。

さらに条件が合えば、厚生年金の扶養手当にあたる加給年金の支給があります。

【加給年金】

加給年金とは、厚生年金に加算される扶養手当のようなものです。支給には次に示す要件があります。要件を満たせば、厚生年金に上乗せされて支給されます。「加給年金の支給要件」の表をごらんください。

出典:日本年金機構「加給年金額と振替加算」を参考に筆者作成

※対象となる配偶者が加入20年以上などの条件に該当する厚生年金受給者、または障害年金受給者の場合は支給されません。

扶養されている配偶者が65歳になった時点で支給は停止されますが、要件を満たした65歳と60歳の夫婦であれば、5年間で約195万円の加入年金を受け取ることができます。

上記の夫婦が加給年金を受給できると月額約23万円の年金額になります。