新型コロナのワクチンは、必要性を感じていない人にこそ打ってほしい、と筆者(塚崎公義)は考えています。

ワクチンの優先順位の議論は下火に

新型コロナのワクチン接種が、なかなか思うように進んでいませんでしたが、ここにきて急速に進み出したようです。大変喜ばしいことです。

ワクチンを打てる数が少ない時には、誰を優先するのか、という議論がありました。「医療従事者を優先すべき」「罹患すると死亡するリスクが高い高齢者を優先して死者数を抑制すべき」というのが政府の方針だったようです。

それ以外にも「若者は行動範囲が広くて他者を罹患させる可能性が高いのだから、行動範囲の狭い高齢者より若者に優先して接種して流行を抑制すべき」「余命の短い高齢者よりも、余命が長くて日本経済に貢献が期待される現役世代を優先すべき」といった意見もあったようです。

「一部のワクチンを入札制にして、市場原理を活用しよう」「警察、消防等々の関係者を優先しよう」「大臣や首長を優先しよう」といった意見もあったのかもしれません。

価値観の問題もあって難しい議論も行われていたようですが、ここに来て高齢者も現役世代も希望すればワクチン接種が受けられる見込みとなったため、こうした議論は下火になって行くでしょう。

あとは、ワクチンの接種が可能になっても接種を受けない人をどうするか、ということが問題になるわけですね。