老後の生活を支える大きな柱となる、年金。

ねんきんネットや年金定期便などで、将来どれだけ年金がもらえそうかチェックしている現役世代の人もいるでしょう。

今回は、もうすぐ年金をもらう60代の人はもちろん、いずれ受給するときがくる現役世代の人に向けて、年金制度の基本と手続きについて見ていきます。

【おさらい】年金のキホン

まず、年金の基本的な仕組みについて解説していきます。

年金は「2階建て構造」

年金制度は、以下の2つから成り立ちます。

  • 1階部分「国民年金」…日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
  • 2階部分「厚生年金」…公務員や会社員などが上乗せで加入する

そして、受給資格を満たした場合に下記の年金が受け取れます。

  • 国民年金のみに加入…「老齢基礎年金」(個人事業主)
  • 厚生年金に加入…「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」(会社員)

日本年金機構によると、2021年度の老齢基礎年金の支給額は月額6万5075円(年78万円)です。

一方、老齢厚生年金の支給額は、現役時代で厚生年金に加入していた期間と収入が反映されるので、個人差があります。

60代、定年後が不安なあなたへ

厚生年金と国民年金、いずれの加入者の場合も受給は「原則」65歳からです。

保険料の納付が終わる60歳から、年金支給がはじまる65歳までの間は「待機期間」となります。

ただ、60歳で定年を迎える人であれば、65歳までの生活費が不安になることもあるでしょう。そんな人に検討してほしいのが「繰り上げ受給」です。

年金を前倒しで受給できる「繰り上げ受給」

「繰り上げ受給」とは、60歳~65歳になるまでの間に前倒しで年金を受けられる制度です。

注意しなければいけないのが、繰り上げた月数に応じて減額率が決まることです。また、この減額率は65歳以降もずっと変わりません。

さらに、障害年金・寡婦年金・遺族年金についても制限がかかります。

いったん繰上げ申請をすると変更や取り消しができません。メリット・デメリットを踏まえたうえで、慎重に検討することをおすすめします。

「特別支給の老齢厚生年金」もある

厚生年金の支給開始年齢は、以前は「60歳」からでした。そこから段階的に引き上げられ、2021年現在は国民年金と同じ「65歳」からとなっています。

その経過措置として、以下の条件にすべて当てはまる人は、65歳まで「特別支給の老齢厚生年金」を受給できます。

「特別支給の老齢厚生年金」支給要件

  • 60歳以上である
  • 以下の日以前に生まれている

    ・男性…1961年(昭和36年)4月1日
    ・女性…1966年(昭和41年)4月1日

  • 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
  • 厚生年金保険等に1年以上加入していた

支給開始年齢は生年月日で変わります。日本年金機構のホームページにも詳細が掲載してありますので、参考になさるとよいでしょう。

65歳になると届く年金請求書

ここからは、老齢年金を受け取る手続きについて具体的にご紹介していきます。

「年金請求書」って?

年金をはじめて受給する場合、支給開始年齢になる3カ月前に「年金請求書」が日本年金機構から郵送されます。年金請求書には、年金が受給できる人の基礎年金番号や氏名、住所などが印字されています。

そこに必要事項を記入し、必要書類(住民票など)とともに、

  • 年金事務所へ郵送
  • 年金事務所や「街角の年金相談センター」の窓口に提出

となります。

年金請求書が提出できるようになるのは、「年金の支給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)」以降です。

「特別支給の老齢厚生年金」の受給者は再度申請を

先ほどご紹介した「特別支給の老齢厚生年金」を受給している場合は、65歳になったときに再度、年金請求書を提出します。

「特別支給の老齢厚生年金(64歳まで)」と「本来支給の老齢年金(65歳以降)」では年金の種類がそもそも違うからです。

「特別支給の老齢厚生年金」をもらっている場合、年金請求書は「65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの場合は前月の初旬)」に届きます。忘れずに必ず提出しましょう。

請求後1~2か月で年金がもらえる

年金請求書を提出したのち、約1~2カ月で「年金決定通知書」や「年金証書」などが届きます。その1~2カ月後に年金の振込通知書などが届き、年金の支給が始まります。

時効には要注意

年金請求書は、日本年金機構「はじめて老齢年金を請求するとき」からダウンロードできます。

なお、年金には「5年」という時効があります。請求しないまま5年を過ぎると、年金を受給できなくなります。所定の時期が過ぎても年金請求書が郵送されてこない場合、年金事務所などに問い合わせてみましょう。

年金は請求しないともらえません。老後生活の支えとなる大切なお金ですから、忘れずに請求手続きをするようにしましょう。

参考資料

日本年金機構サイトより

齊藤 慧