例えば、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500の終値でみてみると、2020年12月末まで、過去10年間投資していた場合は約3倍、過去30年間の場合は約11倍、過去50年間の場合は約41倍になっています。
つまり、100万円を1970年の12月末からS&P500に投資していた場合、2020年末には約4100万円になっているということです。
可能な限り長期で投資することできれば、複利効果を十分に享受でき、雪だるま式に資産を増やしていくことができます。投資成果を最大化するにあたって、長期投資は重要なファクターになることがお分かりいただけると思います。
この点で考えてみると、つみたてNISAの非課税期間が「20年」と区切られているのは、多少もったいない気がしないでもありません。せっかく継続していた投資を、税制のメリットを受けとるために、途中で終わらせてしまう判断をしないといけない場合もあるからです。
非課税期間が終わったあとは課税口座ではありますが、継続して投資信託を保有することも可能です。「つみたてNISAの出口戦略」を20年後によく考えてみる必要があるともいえそうです。
ニーズに合わせた「資産運用のスタイル」を
今回は、つみたてNISAを「これから」始めようとご検討中の方に向けた注意点をメインにお伝えしてまいりました。
投資デビューにあたり、すでに情報収集をされていらっしゃる方の中には、これらの内容をご存じだった方もいらっしゃるかと思います。
つみたてNISAには前述した注意点はありますが、制度の主旨を理解して長期投資に取り組む上では、メリットの多い制度であることは間違いありません。
投資を始めようと考えている方にとって、つみたてNISAは有望な選択肢のひとつ。自分のニーズに合った運用スタイルや金融商品を選びたいものです。
資産運用のスタートや見直しを検討される場合、お金のプロフェッショナルの客観的なアドバイスを取り入れると、より心強いかもしれませんね。
参考資料
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- 金融庁「令和2年度税制改正について-税制改正大綱における主要項目-」令和元年12月
- 国税庁「パンフレット『暮らしの税情報』(令和2年度版) 株式・配当・利子と税」
- 投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基