盲点③「ずっと非課税」ではない

実は、つみたてNISAを利用して投資をしても税金がかかるケースがあります。

仮に今年40万円の枠を利用して投資信託をつみたてNISAで購入したとします。

その後20年間の非課税期間で、購入したところよりも投資信託の価格がまったく上がることなく、20年後、結果的に評価額が20万円にまで下がっていた場合を考えます。

おそらく大半の方が売却せず、課税対象となる通常の口座(特定口座など)に移管して継続保有することを選択されるのではないかと思います。

さて、その後、課税口座で保有した結果、価格が30万円にまで持ち直した場合、みなさんならどうされますか?

投資スタート時点の「40万円」からは10万円のマイナスが出ています。しかし、20万円にまで下がっていた時期よりはマシだろう、と判断して売却を考える人もいるでしょう。

ここでどうなるのか。

実は、ここで売却する場合、10万円が利益とみなされて、課税対象となってしまうのです。

投資した側から見ると「昔40万円で買ったものを、30万円で売った」、つまり10万円の損が出ている状態です。

しかしこの場合、「非課税期間満了時の価格(20万円)」が、移管後の課税口座では「税制上の買付価格」とみなされます。よって、ここでは「20万円から30万円に値上がりした」となり、利益の10万円分が課税対象となってしまうのです。

つみたてNISAは長期の資産形成に有効か?

では結局のところ、つみたてNISAは長期の資産形成に有効な投資手法なのでしょうか?

20年間、非課税で投資できるという点においては、非常に魅力がある制度であることは間違いありません。

過去の株式市場の実績を見てみると、投資期間は長期であればあるほどリターンが大きくなり投資成果のバラツキも小さくなる傾向があることがわかります。