『FIRE』(Financial Independence, Retire Early)という言葉を耳にするようになってきました。経済的な安定を早期に確立して、定年まで待つことなく早めにリタイアをするという取り組みのことです。

とはいえ、まだまだ日本人には聞き馴染みもなく、どこか他人ごとのように感じられる人も多いかもしれません。

やはり会社員であれば定年まで職務を全うし、その暁には退職金をもらって悠々自適なセカンドライフを過ごしたい…とイメージされている人が多数派ではないでしょうか。

私は以前、生命保険会社で勤務する中で、数多くのお客さまから退職後のお金の相談を受けて来ました。その経験をふまえ、今回は会社員のみなさんの退職金について確認していきたいと思います。

会社員の退職金、学歴格差はいくらか

まずは会社員の退職金の平均をみてみましょう。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」を参考にします。

退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
定年:1983万円
会社都合:2156万円
自己都合:1519万円
早期優遇:2326万円

高校卒(管理・事務・技術職)
定年:1618万円
会社都合:1969万円
自己都合:1079万円
早期優遇:2094万円

高校卒(現業職)
定年:1159万円
会社都合:1118万円
自己都合:686万円
早期優遇:1459万円

学歴や職種の差はありますが、いずれにしても定年まで勤め上げれば、平均すると1000万円は超えています。ただし、会社都合や早期優遇以外の理由で退職する場合、いずれの学歴においても2000万円の大台に届かないケースが多いようです。