人生100年時代の医療保険
最初のグラフで示したとおり、医療保険の給付金が支払われる入院をする年齢は80歳以降で急激に増えます。それまでは医療保険に加入していても、保険料を払い続けているだけで給付を受けられるケースは少ないわけです。一番医療保険が必要な時期に保障が続く終身医療保険であれば、人生100年時代の長い老後も安心できます。
一方で、保険料を終身払いで払い続けるのも大変なことです。保険料の支払いには終身払いと短期払いがあります。終身払いの方が長く払い続けるために保険料は割安ですが、長生きをすると却って短期払いよりも多く払うことになります。
60歳や65歳で払い込みが完了する短期払いで保険期間が終身であれば、ある年齢を境に長生きすればするほど得をします。また、短期払いは現役時代の収入がある時期に保険料を払い終えるので、年金生活になってからの負担がなくなるのもメリットです。
もう一つの考え方としては、医療保険に頼らず、公的医療保険で足りない部分は貯蓄で補うという方法です。保険料を貯蓄に回すと考えれば、確実に増やすことができるでしょう。貯蓄の良さは使い道が自由なことです。
保険の場合は、入院や手術など、保険会社が定めた支払事由でないと給付金は支払われません。医療保険でカバーできるリスクは限られています。しっかりと貯蓄ができる人は医療保険に頼る必要はない、と考えることもできるでしょう。
参考資料
石倉 博子