60代が受け取る「年金額」はどのくらい?

60代の貯蓄のすがたを見たあとは、年金額についても確認していきましょう。厚生労働省年金局が公表している「令和元年度(2019年度) 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、60代の年金受給額の平均を抜粋します。

厚生年金保険(第1号)の平均年金月額(※)

(  )内は受給権者数

  • 60~64歳:7万6681円(140万409人)
  • 65~69歳:14万2972円(374万98人)

※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は基礎年金月額を含みます。

国民年金の平均年金月額

(  )内は受給権者数

  • 60~64歳:4万2023円(23万214人)
  • 65~69歳:5万7108円(733万6368人)

60歳代後半の平均年金月額は、厚生年金であれば14万~15万円ほど、国民年金であれば5万円台です。

たとえば、会社員の夫と専業主婦の妻の60代後半世帯であれば、月額の年金額は20万円前後になります。

総務省の「家計調査報告(家計収支編)―2020年(令和2年)平均―(二人以上の世帯)」によると、65~69歳の消費支出は27万4798円です。

仮に収入が「公的年金のみ」の場合、この世帯では毎月約7万5000円の赤字が出る計算になります。

「老後のお金」を考える

さきほどの「毎月7万5000円」の赤字分を、貯蓄の取り崩しで補っていくことを想定します。1年間の必要な額を単純計算すると・・・

7万5000円×12カ月=90万円

1年に90万円となりますね。

もし100歳まで生きて長寿をまっとうできた場合、3000万円ほどが必要という計算になります。

ひと月の生活に必要なお金は世帯ごとに違います。現役時代の暮らしぶりや家族構成はさることながら、年を重ねた場合は健康状態なども大きく影響してくるでしょう。

いずれにせよ、数千万円という金額は、ほとんどの家庭にとって一朝一夕で準備できるものではありません。そこで求められるのが、やはり現役時代からの資金形成に対する意識といえそうです。