現役世代のみなさんは、老後をどう過ごすか、イメージされていますか?
長引くコロナ禍。数カ月先の五輪開催がどうなるかも見えないこのご時世。はたらき盛りの若いみなさんが、20年後、30年後の青写真を描くことは、たとえご自分のことであっても難しいかもしれません。
定年を引き上げる企業や、定年退職後も再雇用・起業といった形で働き続けるシニアが増えています。そして、ライフワークや家族との時間をゆっくりと過ごす選択肢もありますね。
これからの時代、還暦60代以降の生き方は多様化してくることが考えられます。
今回は、60代の年金や貯蓄のすがたを眺めながら、「老後のお金」についていっしょに考えていきましょう。
いまどき60代の「貯金額」
まず、金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」から、世代別の貯蓄額に関するデータを抜粋していきます。いずれも、金融資産を持たない世帯を含めた数字です。
まずは、20代~70代以上、すべての世代について。
20代~70代以上「二人以上世帯」の金融資産保有額
含:金融資産非保有世帯
- 平均:1436万円
- 中央値:650万円
これを「60歳代」に絞ると・・・
60代・二人以上世帯「金融資産保有額」
含:金融資産非保有世帯
- 平均:1745万円
- 中央値:875万円
同調査によると、60代・二人以上世帯の金融資産保有額は、平均1745万円、中央値875万円です。平均だけをみると、2000万円に少し届かない程度ですね。
では、60代の二人以上世帯は、この資産をどういう方法で保有しているのでしょうか。次では金融資産の内訳、つまり貯金の中身を見ていきます。