私たちとお金の付き合いは一生続きます。

お金のことで気になるキーワードは、人生の各ステージでたくさんありますね。「老後資金」もその一つではないでしょうか。生活費はいくらかかりそうか、年金はどのくらいもらえそうか、できれば早めに把握しておきたいものです。

そして、サラリーマンであれば定年退職時にうけとる退職金は、年金とともに老後の生活を支える柱のひとつといえるでしょう。

今回は、証券会社で9年間ファイナンシャル・アドバイザーとして、お客様の資産運用に携わってきた私の視点から、民間企業の会社員の退職金事情や、老後のお金についてお話していきます。

会社員退職金の「学歴格差」

ひとことで退職金といっても、勤続年数や役職といった要素に左右される部分があります。学歴も、その要素の一つです。ここでは、厚生労働省の「退職給付(一時金・年金)の支給実態」から、最終学歴別にみた退職金の平均額を抜粋します。

大学・大学院卒

定年:1983万円
会社都合:2156万円
自己都合:1519万円
早期優遇:2326万円

高校卒(管理・事務・技術職)

定年:1618万円
会社都合:1969万円
自己都合:1079万円
早期優遇:2094万円

高校卒(現業職)

定年:1159万円
会社都合:1118万円
自己都合:686万円
早期優遇:1459万円

いずれの最終学歴でも定年まで働くと1000万円以上を受け取ることができるようです。ただし、退職事由が自己都合である場合、勤続年数が大きく影響してくる点に留意が必要です。