仕事の仕方を根本的に変えないとムリ

最後は個人的な感想などです。働き方改革の進展と「つながらない権利侵害」の同時進行を、どう読み取るかは微妙ですよね。

かつて筆者が働きだした頃(バブル末期)には、当然、「つながらない権利」なんていう概念は影も形も存在しませんでした。そういう意味では歴史は進歩している。問題点を顕在化させているわけですから。

ただ、どうしてもテレワークは、仕事と“仕事以外"の境界線が曖昧になってしまう。これはテレワーク経験者の方なら、どなたでも、そう思うのではないでしょうか。

昨年、半年程度、大手企業のプロジェクトに参加していたのですが、そこでは就業時間以外の業務が、かなり厳しく規制されていました(逆に言えば残業代の抑制ですね)。

そうすると何が起きるかというと、自分を含めて何人かのスタッフは、時には退社連絡をした後に集中しないとできない業務にとりかかる。もう、客先からのメールも公然とガン無視できますからね。

これは、多分、“仕事中毒患者"の多い日本でしか起こらない現象だと思います。言い訳をすれば、半年程度の在籍で問題点等を言い出すと、さらに余計な工数がかかってしまうし。

ただ、ひとつ感じたことはあります。巷では、テレワークに関して「部下の管理がムズカしい」「テレワーク環境の報連相」などが取り沙汰されていますが、多分、その問題の立て方が間違っている。

「その報告って必要なの?」「それを報告書にする?」「そういう管理体制ってムダでは?」等の根本的なスキームから立て直さないとムリがある。どうも、そんな感じが、ちょっとしましたね。

参考資料

榎本 洋