「つながらない権利」とは?

もうひとつ興味深いデータを紹介します。今年4月23日にNTTグループが「働き方改革2021 with コロナ」という調査結果を発表しています(調査期間:3月6日~9日)。

この調査は、「NTTコムリサーチ」登録モニターを対象に「働き方改革」の取り組み状況を、2015年から毎年実施しているものです。今回発表された調査結果のなかに「つながらない権利の侵害が進展」という項目があります。

「つながらない権利」とは、就業時間外においての緊急性のない電話やメールへの対応を指しています。

これらの上司からの通話や返信に週1回以上対応している人は、前回調査と比べて7.6ポイント(14.9%→22.5%)の増加。同僚からの通話や返信では、11.5ポイント(13.5%→ 25.0%)の増加。

「できれば対応したくないが、対応するのはやむを得ない」と考えている人も、微増で46.7%を示していました。同僚という気軽さから就業時間外に連絡してしまうが、対応する側は「できれば対応したくない」と考えていると分析しています。

この調査対象はテレワーカー限定のものではありませんが、やはりテレワークのサービス残業の大きな原因と言えると思います。

この調査企画のメインテーマは「働き方改革」ですが、働き方改革に取り組む企業は過去最多の56.0%。従業員数1,000人以上の規模の企業では、77.1%。ただし、この働き方改革の進展により、「つながらない権利」の侵害が進んでいる可能性もあると分析しています。