一昨年は、「老後2000万円問題」が大きな話題となったばかり。

退職金だけで、とりあえず「2000万円」をクリアできるというのは、老後を迎えるにあたっての1つの安心要素にはなりそうです。

中小企業の退職金はいくらか

それでは、中小企業の場合はどうでしょうか。

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」より、従業員が10人~299人の東京都内の中小企業を対象に調査したところ、「モデル退職金(卒業後すぐ入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)」は以下のようになっています。

中小企業の退職金(大学卒、自己都合)

  • 勤続10年:113万5000円
  • 勤続15年:214万9000円
  • 勤続20年:353万4000円
  • 勤続25年:524万3000円
  • 勤続30年:705万9000円

中小企業の退職金(大学卒、会社都合)

  • 勤続10年:148万3000円
  • 勤続15年:266万円
  • 勤続20年:425万円
  • 勤続25年:598万円
  • 勤続30年:785万6000円
  • 定年:1118万9000円

中小企業では、定年まで勤め上げた場合でも退職金は1000万円程度、勤続30年では700~800万円弱という結果になりました。

老後生活の支えにするには、少々心もとない金額だと感じた方も多いかもしれませんね。

大企業でも安心できない?最近の退職金事情

さて、大企業と中小企業の退職金額には大きな差があることが分かりましたが、それでは「大企業に勤めていれば、老後は安心」と言い切れるのでしょうか。

残念ながら、必ずしもそうとは言えないようです。

最近では、大企業も退職金制度の見直しをしたり、退職金の代わりに「企業型DC(企業型確定拠出年金)」制度を導入している企業も増えてきています。