公務員の定年退職を、現在の60歳から段階的に65歳まで引き上げる法改正案が2021年4月13日に閣議決定され、今国会での成立を目指す方針です。
民間企業でも、従業員に対し65歳までの雇用を確保する義務に加え、70歳までの就業機会の確保を求める「改正高年齢者雇用安定法」が2021年4月から施行されています。
官民ともに雇用延長の動きが進んでいますが、60歳以降の働き方に違いはあるのか気になるところです。
私は国内の大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。
今回は、官民の60歳以降の働き方とあわせて、公務員の退職金についてみてみましょう。
官と民、定年退職はどう変わる?
今回の公務員法の改正は、少子高齢化にともなう労働人口の減少にそなえるため、知識や経験のある職員を活用することを目的としています。
公務員の定年退職延長にあたり、国家公務員・地方公務員ともに60歳以降の「役職定年」が導入され、60歳以降はそれまでの7割の水準で給与が設定されます。
また、退職金においては60歳以降~定年前に退職を選択した職員が不利にならないよう、当分の間、定年退職者と同様の退職金を受け取れます。
一方、民間にも65歳までの雇用確保義務と70歳までの就業機会を確保する努力義務を求めていますが、実態はどうでしょうか。
厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査」を参考にして見ていきましょう。