2021年2月に総務省が発表した「家計調査 令和2年(2020年)平均」によると、二人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質で前年から5.3%減少となりました。
この背景には、先行きの見えないコロナ禍で娯楽や外食の自粛が続いたこと、また、感染拡大の不安から家計を引き締めた世帯が増えたことなどが考えられそうです。
コロナで迎えた2度目の春、そして再三にわたる緊急事態宣言。はたらきざかりの現役世代の仕事、そしてお金を取り巻く環境は不安定な状態が続いています。
では、いわゆる「コロナ前」に現役生活を終えた方も多い「60代」のみなさんの暮らしぶりはいかに…。
今回は最新の調査結果をもとに、「60代の貯蓄事情のリアル」に迫ります。
60代の貯蓄事情
さいしょに「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」をもとに、60代の貯蓄状況を見ていきます。
60代・二人以上世帯「金融資産保有額」
(含:金融資産非保有世帯)
平均・・・1745万円
中央値・・・875万円
60代の金融資産保有額の平均は1000万円を大きく超えるという結果になりました。この金額をみて、「自分が60代になったとき、こんなに貯めている自信がない」と感じた人も多いはず。
定年退職金としてまとまった金額を受け取る人が多い年代とはいえ、本当に60代の方の多くが1000万円以上も貯めているのでしょうか。また、その貯蓄を切り崩さずに生活をしているのでしょうか。